“20年間ずっと工場で夜勤をしてきた私は、夜勤がある職業の方々へ勝手に親近感を抱いています。そんな職業の中のひとつ・・・今回は “かんごし” に関する記事です。
パソコンなどで “かんごし” を漢字変換しようとすると「看護師」と「看護士」の2つの変換候補が挙がってきますよね。なので・・・はてどちらを使えばいいのだろう・・・とお悩みの方も多いのではありませんか?
果たして・・・
看護師と看護士の違いは何なのでしょうか?
どちらが正解なの?
また看護師、看護士のほかにも・・・かつては看護婦なんて呼び方もしていましたよね。果たしてその違いって何なのでしょうか?調べてみましたのでどうぞご覧ください。
Contents
看護師と看護士の違いとは?
まずは“看護師”と“看護士”のどちらが正解なのか、スッキリとしていただきますね。
“かんごし”は“看護師”と変換して表記するのが正解です。
そうなんです・・・では無くて、
と漢字変換しましょうね。
実はこれ・・・法律で決まっているんです。日本の法律(保健師助産師看護師法)で以下のように規定されています。
保健師助産師看護師法 第一章 総則 第5条
この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。引用元:電子政府の総合窓口e-Gov
それでは・・・漢字の変換候補にも挙がってくる “看護士” とは何なのでしょうか?


“看護士”とはかつての男性看護師の名称です。女性の看護師の名称だった“看護婦”と区別するために使われていました。
看護師の名称の変遷
看護師の名称の変遷をひと目でご理解いただけるように、表にまとめてみましたのでご覧ください。
![]() | 女性![]() | 男性![]() |
1948年~ | 看護婦 | |
1968年~ | 看護婦 | 看護士 |
2001年~ | 看護師 |
それでは・・・どのような経緯で名称が変遷していったのか、詳しく解説していきますね。
-1948年-
保健婦助産婦看護婦法が公布・施行され、資格を得て医療現場で看護の仕事に従事する者は“看護婦”とすると規定されました。

-1968年-
「 男子である看護人を看護士に改める」との内容の法改正が行われます。この法改正によって、“女性は看護婦” “男性は看護士”と呼ぶようになりました。

-2001年-
法律の名前が保健婦助産婦看護婦法から保健師助産師看護師法へ変更されます。そしてこの法改正で、男女別の看護婦、看護士の名称をやめて、男女の区別なく“看護師”とするように規定されました。そして現在に至ります。
ところで・・・なんで看護師に統一したのでしょうか
1999年に公布・施行された男女共同参画社会基本法が関係しています。この法律は、性別に関係なく能力を発揮できる社会を目指すためのものです。そのため・・・性別を特定するような職業名がどんどん改名されていったんですナンダカナァ
“師”と“士”の違いとは?
“師”と“士”の付く職業ってとても多いですよね。少し例を挙げると「医師、教師、代議士、弁護士、美容師、消防士、税理士」などがあります。
でも・・・これってどう使い分けているのでしょうか
調べてはみたのですが・・・“師”と“士”の明確な使い分けは見つかりませんでした。ただし・・・“師”と“士”が付く職業には以下のような傾向がみられます。
- “師”と“士”のどちらも専門的な知識を持ち、資格や免許を有して働く人である
- “師”はトップに立ち自らの判断で仕事をする人である
- “士”は官や会社などに仕えて働く人である
この傾向に合わせるならば、病院などの組織に仕え、医師の指示に従って働く看護師は、本来は、“士”の方がしっくりくるように思えます。
じゃあ・・・なんで“師”になったの
それは・・・かつて看護士が男性の看護人のことを指していたため、男女ともを看護士にするのには抵抗があったのかな?なんて私は想像しています。
そのほか看護師と○○の違いについて
この記事を書くためにいろいろ看護師について調べていると・・・
と思いましたので、それぞれ職業と看護師の違いを調べてみました。ご紹介するのは以下の2つです。
- 看護師と准看護師
- 保健師と助産師と看護師
順番に見ていきましょう!
看護師と准看護師ってどう違うの?
看護師と准看護師はどちらも看護業務を行うのですが、看護師と准看護師には“2つの大きな違い”があります。それは・・・
看護師が“厚生労働大臣”が発行する“国家資格”なのに対して、准看護師は“都道府県知事”が発行する“資格”であること。
准看護師は「医師または看護師の指示のもとに看護業務を行う」こととなっていること。
保健師と助産師と看護師ってどう違うの?
保健師助産師看護師法という同じ法律で規定されている保健師、助産師、看護師ですが・・・それぞれ業務内容は異なります。
病人などのお世話や診療の補助をする・・・患者さんのケアが主な業務です。



病気や怪我などを未然に防ぐための「保健指導」や「健康診断」など。
妊婦や出産後の女性の健康管理や生活の指導、新生児の保健指導など。また正常分娩であれば独りで助産行為も行えます。
あとがき・・・
看護師と看護士の違いでした。最後に繰り返しになりますが・・・

看護士や看護婦などは2001年の法改正以前の呼称です。使用しても問題はありませんが、仕事上の書類などで間違った表記をしていると・・・ん?不勉強な人だな・・・と侮られる恐れもありますのでご注意くださいね。
それでは最後にひと言だけ・・・
私は夜勤をこなす数ある職業の中でも看護師さんに強く尊敬の念を抱いています。その理由は・・・夜勤はただでさえ辛いのに・・・
- 変則的なシフトチェンジ
- 16時間の長い夜勤
- 判断ミスの許されない命を預かる職場
これらの条件下で働くのですから、本当にすごいです。これからも頑張ってほしいものですね。
記事:けいすけ