「三枚のお札」の昔話です。
 
和尚さまに頼まれて、山姥の住むという山へ、栗拾いに行くことになった小僧さん。和尚さんからもらった三枚のお札を使い、無事にお寺に帰ることができるのでしょうか?
 

 
この記事では、オリジナルのイラストをたっぷり使った絵本を楽しんでいただけます。絵本を読んで簡単にあらすじや内容を思い出すことができますよ
 
また最後にはこのお話の教訓について、私の考えもご紹介しますので、よろしければ最後までご覧くださいね。
 
それでは、「三枚のお札」の始まり、始まり~
 
 

三枚のお札の絵本

むかし、むかしの話です・・・


ある寺に『和尚さん』と『小僧さん』が暮らしておりました。





ある日のこと・・・小僧さんが境内を掃除していると、遠くから和尚さんの呼ぶ声がいたします。「おーい、小僧さん」





「はい、はい、ただいま~」小僧さんは慌てて和尚さんのところへ向かいます。





和尚さんは、小僧さんを座らせると頼みがあると言いました「山に行って栗を拾ってきてくれないか?」





「あの山姥(やまんば)が住む山へ?」小僧さんの顔が険しくなります。栗がたくさん実るその山には、妖怪の山姥が住むと噂されているのでした。





「もし山姥に出会ったら、このお札を使いなさい」和尚さんはそう言って【三枚のお札】を書いてくれました。





「日が暮れる前には必ず帰るんだよ」そう言って和尚さんは、小僧さんを送り出しました。





大きな籠を背負って、しょんぼりと歩く小僧さん。しかしきれいな景色のなかを歩いていると、山姥への恐怖もどこへやら、なんだか楽しくなってきました。「ふん♪ ふん♪」





「栗がいっぱいだぁ」山にはたくさんの栗の実が落ちていました。





「籠をいっぱいにして和尚さんをビックリさせるぞ」小僧さんは栗拾いに夢中になり、どんどん山の奥へと入って行くのでした。





小僧さんがふと我に返ると、すでに日は沈み、辺り一面は真っ暗になっていました。





山の中を歩き回ったため、小僧さんは、いま自分がどこにいるのか全くわかりません。





途方に暮れていると、暗い茂みの方で ‟ガサガサ” と音がします。小僧さんは恐る恐る茂みの方へ目をやりました。すると・・・





茂みから出てきたのは、提灯をぶら提げた‟おばあさん”でした。小僧さんが道に迷ってるのを知ると、夜道は山姥が出て危ないから、家に来るようにと勧めてくれました。

小僧さんはホッとしました。





山の奥深くに高い屋根の大きな家があって、おばあさんは、その家で一人暮らしていました。





「たくさん食べるがええ」おばあさんはそう言って、お粥を椀に盛りました。お腹が減った小僧さんは何杯もおかわりをしました。





お腹がいっぱいになり、緊張もほぐれた小僧さん。おばあさんが敷いてくれた布団に入ると、すぐに眠ってしまいました。





どれくらい時間が経ったのでしょうか・・・

シャー、シャー、シャー・・・
小僧さんは、何かをこするような不気味な音で目を覚ましました。





(こんな夜中に何の音だろう?)小僧さんが ‟そろりそろり” と隣の部屋を覗きに行くと、そこにはなんと・・・





『妖怪の山姥』がいたのでした。おどろいた小僧さんは、頭を戸にぶつけて大きな音を立ててしまいました。





(逃げなければ大変なことになるぞ・・・)そう考えて小僧さんは逃げる決心をしました。

「便所に行きて~」





もう漏れてしまうと何とか山姥を説得して、小僧さんは便所へ行きました。【一枚目のお札】を便所の壁に貼りながら小僧さんは言いました・・・

「お札よ、山姥をここに引き留めておくれ」





「おい小僧、まだか?」小僧さんは、縄をグイと引きます『マアダダヨ』

「小僧、まだか?」小僧さんは、縄をグイグイと引きます『アトスコシ』

「小僧、いい加減にしろ」





山姥が便所の様子を見に行くと、そこには小僧さんの姿はありませんでした。「小僧、逃げたな~~~」山姥は目の色を変えて小僧さんを追いかけました。





「まてぇ、小僧」遠くまで逃げたつもりが、山姥はすぐ後ろに迫ってきました。小僧さんは【二枚目のお札】を木に貼り付けながら言いました・・・

「お札よ、大水をだして山姥を追い払っておくれ」





お札から水が滴り始めたかと思うと、ドバーッと大水があふれ出しました。





大水は森の中に川を作り出し、山姥はその川の流れに飲み込まれていきました。しかし・・・





ぐびぐびぐびぐび

なんと・・・山姥はその大水をすべて飲み干してしまいました。





見覚えのある道まで戻ってきました。後ろに迫る山姥は、大量の水を飲んで、はち切れそうな姿になっていました。小僧さんは【三枚目のお札】を放り投げて言いました・・・

「お札よ、今度は大きな火を出して山姥を焼き払っておくれ」





お札は、ひらりひらりと舞いながら落ちていきました。ボッと小さな火が付いた後・・・ボウワッ~~、とても大きな火となりました。





火に囲まれ、さすがの山姥も行く手を遮られて前へ進めません。しかし・・・





山姥はさきほど飲み干した水を、火に向かって吐き出しました。プシュ~~~・・・、火は見る見るうちに消えてしまいました。





三枚のお札のおかげで、小僧さんは何とかお寺まで帰ってくることができました。「和尚さーん、和尚さーん」





(はぁ・・山んば・・が・・)小僧さんは息が切れて言葉になりません。すべてを察した和尚さんは、小僧さんに押し入れに隠れるように言いました。





「小僧はどこだ?小僧はどこだ?」山姥が叫びながら入ってきました。そんな山姥に、和尚さんは落ち着き払って言いました・・・

「あなたは何にでも化けれると聞くが、大きなものに化けれるか?」





ぼわーーーーーん山姥は大きな竜に化けました。「参ったか⁉」

「おお、これは恐ろしい。でも小さくなって私の手のひらに乗ったりはできないのだろう?」





‟ポワン” 山姥は小さな豆粒になって和尚さんの手のひらに乗りました。

「 ドウダ? 」
「おお、これまた恐ろしい姿だ」





恐ろしい、恐ろしい、そう言って和尚さんは、焼けた餅を小さな豆粒にグイッと押し付けました。





そのお餅をふたつに折り丸めて、和尚さんはパクリと食べてしまいました。

ごくり・・・





その日以来、山姥の姿を見る人はいませんでした。みんな安心して山に入ることができると喜んだそうです。


おしまい。
 
 

織姫と彦星が年に一度しか会えない理由を覚えていますか?これを読めばサクッと思い出せますよ!

七夕物語のあらすじがイラスト絵本で簡単に思い出せるよッ!!

 
 

あとがき・・・

「三枚のお札」の絵本でした。
 
私のご紹介したお話は、小僧さんが、和尚さんに頼まれて、山へ栗拾いに行く話でした。別バージョンに、小僧さんが他の子どもの遊ぶ姿を見て、どうしても栗拾いに行きたいと和尚さんにお願いして、山に栗拾いに行く話があります。
 
また【三枚目のお札】で出てくるのは、炎のバージョンと、砂山のバージョンがあったりもします。その他にも、地域や家庭によるバージョン違いがあると思いますが、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。
 
それでは最後に・・・
 

このお話の教訓とは?

この物語に出てくる山姥とは、子供の自立を邪魔する親の姿だと言われています。子どもを自立させるためには、親自身も子供から自立する必要があるのだと、この話は諭しているんでしょうね。

 

けいすけ
しかし・・・小僧さんが帰ってこないのに、のんびりと餅を焼いている和尚さんって、スゴイなぁ・・・

 
 
記事:けいすけ
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