はなさかじいさんのお話です。
 
このお話・・・とても有名なセリフがあるのですがご存知ですか?それは・・・
 
♪ ここ掘れワンワン
♪ 枯れ木に花を咲かせましょう
 
有名なので口に出して言ったことがある方も多いですよね(^^)/

 
この記事では、オリジナルのイラストをたっぷり使ったネット絵本が楽しめます。お子さまの読み聞かせに是非ご活用くださいね。
また、はなさかじいさんのお話はどんなだっけ?なんて方に、簡単なあらすじ(550文字)もご紹介していますので、是非ご覧ください。
 
 

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はなさかじいさんの簡単なあらすじ

昔、正直な老夫婦が住んでいました。

ある日、拾った犬シロが畑で鳴くので、そこを掘ってみると小判がザクザク出てきました。

それを見た欲張り老夫婦が、シロを連れて畑を掘りますが、出るのは化け物ばかり。腹を立てた二人が、当たり散らしたためシロは亡くなります。
 
正直な老夫婦は、シロの墓を作り、小さな木を植えました。木は一晩で巨木に成長し、夢枕に立ったシロの言葉に従い、木で臼を作ります。その臼で餅をつくと小判がザクザク出てきました。

それを見た欲張り老夫婦は、臼を借り餅をつきますが、出るのはゴミやムシばかり。腹を立てた二人は臼を焼いてしまいます。
 
正直な老夫婦は、供養のために臼の灰を集めます。するとまた夢枕にシロが立ち、灰を枯れ木に撒くと花が咲くと言います。
 
翌日、臼の灰を枯れ木に撒くと本当に花が咲きました。そこに偶然通りかかったお殿さまが、その光景に感動し褒美を授けてくれることに。

それを見た欲張り老夫婦が、強引に割り込できます。枯れ木に灰を撒きますが花は咲かず、殿さまたちは灰だらけになりました。そして二人は捕まることに。
 
正直な老夫婦は、褒美の代わりに、欲張り老夫婦の許しを請います。その姿にお殿さまは感動し、欲張り老夫婦は許されました。欲張り老夫婦は、今までの行いを謝罪し、その後は仲良く暮らしたそうです。(550文字)

 

以上、簡単なあらすじでした。

 
続いて、オリジナルのイラストをたっぷり使った絵本をお届けします。是非、小さなお子様とご一緒に楽しんでくださいね。それでは、“はなさかじいさん”の物語のはじまり、はじまり~

はなさかじいさんのネット絵本

むかし、むかしの話です。
 
 
 

あるところに、おじさんとおばあさんが住んでいました。二人はとても心の優しい正直者でした。
 
 
 
 
 
 

ある日のこと・・・何やら家の外から犬の鳴き声がします。とても悲しそうな鳴き声だったので、二人は心配になって鳴き声のする方へと向かいました。
 
 
 
 
 
 

「おじいさん、川のところに・・・」おじいさんは、うんうんと頷きながら川へと急ぎました。
 
 
 
 
 
 

川に到着すると、そこには一匹の白い犬がいました。川に落ちてしまったのか、犬はびしょ濡れになってブルブルと震えていました。
 
 
 
 
 
 

おじさんとおばあさんは、犬を家に連れて帰りました。そして犬の震えが治まるまで、火の前で、ギュッと抱いてやりました。
 
 
 
 
 
 

翌日。看病の甲斐があって、犬は元気になったようです。二人は相談して犬を家で飼うことにしました。「白い犬だから名前は “シロ” がいいじゃろ」「よかったね、シロ」

そして数日後・・・
 
 
 
 
 
 

おじいさんが畑に出掛けようとすると、シロが腰の手拭いをくわえて行かせてくれません。何処かへ連れて行こうとしているようです。
 
 
 
 
 
 

シロに引っ張られて、おじいさんは畑の一角に到着しました。シロは前足で地面を掘る仕草をして何かを言っています・・・ここ掘れワンワン
 
 
 
 
 
 

シロに言われるまま、おじいさんは、鍬(くわ)で地面を掘り始めました。しばらくすると・・・ガツン・・・鍬の先が何かに当たったようです。何だろう?二人揃って、穴をのぞき込むと・・・
 
 
 
 
 
 

ビュン、ビュン、ビュン、ビュン・・・なんと小判が大量に飛び出してきたではありませんか。「おったまげた、村のみんなで分けるべ」
 
 
 
 
 
 

その様子を木の陰でのぞく人影が2つあります。二人は同じ村に住む夫婦なのですが、とても欲張りなあらくれ者でした。
 
 
 
 
 
 

「おーい、シロをちょっと借りるぞ」欲張り夫婦がシロを連れて行こうとします。この子は病み上がりだからと、断っても二人は聞き入れません。二人は強引にシロを連れて行ってしまいました。
 
 
 
 
 
 

欲張り夫婦は、シロがワンワン吠える場所を掘り始めました。しばらくすると・・・ムニュ・・・どうやら何かに当たったようです。二人が揃って穴をのぞき込むと・・・
 
 
 
 
 
 

ニョロ、ニョロ、ニョロ、ニョロ・・・なんと・・・得体の知れない化け物が大量に溢れ出てきました。「うわぁぁぁぁ・・・たすけて~」
 
 
 
 
 
 

その後、何十か所も穴を掘り続けますが、出てくるのは化け物ばかり。欲張り夫婦は、その怒りをシロに当たり散らすのでした。

そして・・・可哀そうに・・・
 
 
 
 
 
 

シロは体が弱っていたところを強引に連れ回されたため、亡くなってしまいました。おじいさんとおばあさんは、家のすぐそばにシロのお墓を作って供養しました。
 
 
 
 
 
 

おじいさんは、お墓の横に木を植えました。「これでシロも寂しくないじゃろ・・・」
 
 
 
 
 
 

その日の夜。おじいさんは夢を見ました。夢でシロが語りかけてきます・・・木を植えてくれてありがとう。その木で “臼(うす)” を作ってね。
 
 
 
 
 
 

翌朝。家を出てみると  なんとビックリ⁉  昨日植えた木が、巨木に育っているのでした。早速、おじいさんは木を切って “臼” を作りました。
 
 
 
 
 
 

完成した “臼” で、お餅をつくことにしました。もちつき、ぺったん、ぺったん、ぺったん・・・、もちつき、ぺったん、ぺったん、ぺったん・・・。軽快な音が部屋に響きます。
 
 
 
 
 
 

すると・・・臼の中が光り輝き・・・ビュン、ビュン、ビュン、ビュン・・・またまた小判が大量に飛び出してきました。
 
 
 
 
 
 

それを盗み見ていたのは、あの欲張り夫婦です。「なんだい、あいつらばっかり」「まぁ、まぁ、俺が “臼” を借りてこよう」
 
 
 
 
 
 

今まで、ろくに働きもしない二人だったので、お餅をつくのも一苦労です。でも何とか餅にはなったようです。すると・・・
 
 
 
 
 
 

臼の底から腐ったような臭いがします。そして・・・ドバ、ドバ、ドバ、ドバーッ・・・っと、ゴミやムシなどが溢れ出てきました。「くそ~っ・・・こんな “臼” は燃やしてしまえ」
 
 
 
 
 
 

シロの形見である “臼” が心配になって、おじいさんが外に出てみると、暗がりの中に炎が上がっています。なんと・・・“臼” が燃えている!おじいさんはがっくりと肩を落としました。
 
 
 
 
 
 

翌朝。おじいさんとおばあさんは、“臼”の灰を集めていました。「持ち帰って供養をしてやるべ」
 
 
 
 
 
 

その日の夜。おじいさんは、また、夢を見ました。夢でシロが語りかけてきます・・・灰を集めてくれてありがとう、灰を枯れ木に撒くと花が咲くよ🌸
 
 
 
 
 
 

翌日。二人は、桜の山へとやってきました。桜の木は冬を迎えるために、葉っぱをすっかりと落として、枯れ木となっています。何しに来たの?その問いかけに、おじいさんは言いました「チョイと見とってくれよ」
 
 
 
 
 
 

「枯れ木に花を咲かせましょう」
大声で言うと、おじさんは枯れ木に灰を撒(ま)きました。すると・・・
 
 
 
 
 
 

何ということでしょう。枯れていた桜の木に、蕾が膨らんで、花が咲いたのでした🌸🌸🌸  おばあさんもその光景に大喜びです。
 
 
 
 
 
 

「枯れ木に花を咲かせましょう」
灰を枯れ木に撒くたびに、どんどん花が咲いていきます。もう辺り一面が桃色に染まっています。
 
 
 
 
 
 

「はて?こんな季節外れに桜の花びらが・・・」
 
 
 
 
 
 

「おい!あそこ二人を連れてまいれ」
はい、お殿さま
 
 
 
 
 
 

「わたしの目の前で、桜の花を咲かすことができたら、何でも褒美をやるぞ」
お殿さまのその言葉に、おじいさんは立ち上がって枯れ木に上りました。
 
 
 
 
 
 

「枯れ木に花を咲かせましょう」

むむむ・・・「天晴(あっぱれ)じゃ!」
 
 
 
 
 
 

そこに欲張り夫婦が割り込んできました。「なに?お前たちも花を咲かせるとな、やってみい」
 
 
 
 
 
 

欲張り夫婦は、枯れ木に上って灰を撒きますが、一向に花は咲きません。焦った二人は、さらに大量の灰を撒きます。「うわっ、やめい、やめい」お殿さまも、侍たちも灰だらけになってしまいました。
 
 
 
 
 
 

欲張り夫婦は、取り押さえられてしまいました。「このあと厳しい取り調べがあるからな」
 
 
 
 
 
 

褒美はどうする?お殿さまの問いに、おじいさんとおばあさんは言いました。「それでは・・・どうか、あの二人を許してあげて下さい、悪気はなかったんです」
 
「な、なんと、天晴じゃ」
 
 
 
 
 
 

お殿さまの寛大な計らいで、欲張り夫婦は許されました。二人はシロのお墓の前で深々と頭を下げて謝罪をしました。
 
それからは村人みんなで仲良く暮らしたそうです。
 
 
めでたし、めでたし。
 
 

織姫と彦星が年に一度しか会えない理由を覚えていますか?これを読めばサクッと思い出せますよ!

七夕物語のあらすじがイラスト絵本で簡単に思い出せるよッ!!

 
 

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あとがき・・・

はなさかじいさんのお話でした。
楽しんでいただけたでしょうか?またあらすじをお忘れの方は思い出していただけたでしょうか?多少なりともお役に立てれば幸いです。
 

こんな昔話もありますよ。こぶとりじいさんのお話です・・・面白いので是非読んでみてね。

こぶとりじいさんの絵本が楽しめます!簡単なあらすじ付き

 
 
ところで・・・
 
登場する犬の名前ですが、今回の絵本では「シロ」とさせていただきました。なぜかと言うと、私がかつて慣れ親しんだ絵本では「シロ」と呼ばれていたからです。でも・・・
 
はなさかじいさんの童謡では、犬の名前は「ポチ」ですよね?

けいすけ
あれ?絵本と童謡どっちが正しいの?

 
どちらも正解だと思います。なぜなら、もともと犬に名前は付いていなかったので・・・。
 
「ポチ」と言う名前は、石原和三郎氏が童謡を作詞する際に、当時(1901年)に流行っていた犬の名前を付けただけなんだとか。(明治時代、英語もしくはフランス語に語源を持つ「ポチ」と言う名前を犬に付けるのが流行っていたそうです。)
 
 
犬の名前以外にも、欲張り老夫婦が最後に許されると言う話もあれば、捕まって牢獄に入れられる話もあるそうです。それ以外にも、みなさんの馴染みのあるお話と違いがあるかも知れませんが、何卒ご了承のほどよろしくお願いしたします。それでは・・・

 
記事:けいすけ
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